カテゴリ:落語( 2 )

2010年 09月 30日
東西落語名人選
(WX1; 手ぶれ補正夜間人物撮影モード)
b0165356_22581295.jpg


先日、神戸で東西の落語名人が一堂に会する年一回のイベントが行われました。
その翌日が大阪で仕事だったので、関西に前ノリして観覧していきました。
出演者は、江戸落語から桂歌丸師、柳家小三治師、林家木久蔵さん
上方落語から桂春団治師、月亭八方師、林家染丸師でした。
誰もが一人でホールを満員にできるぐらいの実力者で、豪華な会でした。


一番手は、林家木久蔵さん 演目は「おしの釣り」でした。
殺生禁断の池に鯉を釣りに行くお話です。
上方落語では「昆陽の御池」という名前で演じられています。
桂吉朝師の「昆陽の御池」は聞いたことがあったのですが、
江戸落語の「おしの釣り」は初めて聞きました。
「昆陽の御池」ではうやむやにして終わっていた2人目の言い訳を
「おしの釣り」でははっきりと描写してサゲに持って行き、演目名にまでしているんですね。
当代木久蔵さんは笑点でおなじみの林家木久扇師の息子さんで、
名跡を譲り受けられたばかりのまだまだ若い噺家さんなので
ハツラツトした感じで元気よく役目を果たされていました。


二番手は、月亭八方師。演目は「住吉駕籠」でした。
関西ではタレントとしておなじみの八方師匠。
落語の腕は確かです。
もっと「噺家」として評価されて良いお人だと思います。
マクラがとても面白いのも特徴ですね。
八方師匠の住吉駕籠は、酔っ払いと篭屋のやり取りの中の
浄瑠璃を語るところには行く手前の部分でサゲを付けていらっしゃいました。
持ち時間が一人25分ぐらいですから、全部は出来ないのでしょうね。
それでも非常にエンターテイメントとして完成度の高い25分でした。


三番手は、桂歌丸師匠。演目は「つる」でした。
これまた誰もが知っている、笑点の現司会者です。
実は落語そのものを聞くのは初めてでした。
いや~、想像以上に洗練された、「さすが…」と思わせるひとときでした。
噺そのものはオーソドックスな「つる」です。
1つ違っていたのは、ご隠居が知ったかぶりの苦し紛れからではなく、
初めからからかうつもりでつるの由来を話して聞かせるという所でしょうか。
しかし、所作のキレ、抑揚、サゲに至るまでの盛り上げ方、
全てが計算された完成度の高い名人芸でした。
すごいぞ!歌丸師匠!!


四番手、中トリは、元祖上方落語四天王、3代目桂春団治師匠です。
演目は「祝いのし」でした。
春団治師匠は、マクラを全く取らない、見台は絶対置かない、噺の数は増やさない、等
色々こだわりのあるお方です。
初めの挨拶も、元々低い声が小さく聞こえづらく、
かなりのご高齢であるため、「大丈夫かいな?」と思って聞いていましたら
段々と観客が噺に引き込まれていくうちに声もテンポも上り調子になり、
サゲの所では場内大爆笑でした。
名人芸ですね。お体に気をつけていただいて、長くご活躍いただきたいモノです。


中入り休憩を挟み、五番手、林家染丸師です。演目は「かけとり」でした。
元祖上方四天王の一門に比べるとどうしても地味な印象のある染丸一門ですが、
当代染丸師匠はやっぱり腕のある噺家さんです。
先日は5代目米團治師の「かけとり」を聞いたのですが、観客の笑いの量は染丸師匠の圧勝でした。
噺の中の借金取りの嗜好は「狂歌好き」「浄瑠璃好き」「喧嘩好き」「歌舞伎好き」の4パターン。
どれもが観客に伝わりやすく、笑いになるにあたっての抵抗がありませんでした。
米團治師、やっぱり「クラシックオペラ好き」は止めた方がいいんとちゃいますやろか?


さて、大トリです。柳家小三治師!演目は「馬の田楽」でした。
今回はこの小三治師匠がお目当てです!!
江戸落語の第一人者で、鈴本演芸場の年始幕開きを何年も任せられていらっしゃいます。
小三治師もマクラが長くて面白いのが特徴なんですが、今回は独演会ではないためか
それほど持ち味の「脱線」がありませんでした。
それでも、やっぱりこの師匠は言葉のチョイスとそれを話す時の抑揚、間、全てが非凡です。
ドッカンドッカン笑いを取っていらっしゃいました。
肝腎の「馬の田楽」自体はとてもオーソドックスな内容でしたけど(笑)。


今回は落語を知らない人にはさっぱり「?」な内容ですね(笑)。
[PR]

by ojuju999 | 2010-09-30 23:38 | 落語
2010年 02月 07日
2010/02/07 天満天神繁昌亭
平成18年に大阪に落語の定席が60年ぶりに復活しました。
その名も「天満天神繁昌亭」。


b0165356_21512865.jpg



一度は行きたいと思っていたのですが、完成当時は既に岐阜にいたので
なかなか行けず仕舞いでした。
タイミングが合っても聞きたい落語家さんが出ていなかったり…

今日、午前中大阪で仕事が終わったので行ってきました。
お目当ては中トリに出演する五代目桂米團治さんです。
人間国宝で、かつ文化勲章を受けたあの三代目桂米朝さんの息子さんで、
一昨年の秋に上方の大名跡である米團治を襲名されました。
この辺のエピソードは後日に回して、今日の演目は「かけとり」で、
奇しくも去年の12月21日の記事で少し触れていたネタでした。


b0165356_21521155.jpg



年末の払いを迫って次々やってくる借金取りに対し、
それぞれの借金取りがハマッている大好きなジャンルのネタを
言い訳の言葉にうまくこじつけながら借金取りを気分良くさせて言いくるめて追い返すという
ネタです。

師匠の米朝さんは
相撲好き→歌舞伎好き→口喧嘩好き→だじゃれ好きと四人の借金取りを言いくるめる話を
されていました。実は僕はこの米朝バージョンが大好きなんです。
今回の小米朝さん改め米團治さんは
クラシックオペラ好き→口喧嘩好き→歌舞伎好きと三人相手のバージョンをされていました。

小米朝時代から落語とオペラを融合させた取り組みをされていただけに
クラシックオペラを取り込んだのは自分色の落語を作るためなんだろうなぁと
理解は出来ます。しかし、クラシックの作曲家の名前は大相撲の力士よりも
遙かに知名度に劣るんですよね。いくら上手にこじつけて話しても
ぽかーんとしているお客さんが居たのはどうもいただけないなぁ、と。

芝居噺は米朝師匠よりも歌舞伎っぽい雰囲気が出ていたと思います。
それだけに「歌舞伎好き」をサゲに持ってきているんでしょうね。
「滑稽話」の色合いを少し薄めて、聞かせる「噺」へスライドさせたのだと思います。
元々の米朝師匠のが好きな僕には、理解は出来ても「おもしろい」とは思えない
理由の1つになっているのかもしれません。
特にクラシックオペラの辺りをもっと取っつき安くできれば笑いの量も増えるんだろうなぁ。

しかし、CD音源になっている、録音された小米朝時代の「かけとり」と比べると
格段に違いました。
これからも上方落語を引っ張っていただきたいと思います。
応援してますよ!米團治さん!!
[PR]

by ojuju999 | 2010-02-07 21:55 | 落語